中核症状
脳の細胞が死滅し、働きが低下することによって直接的に起こる症状
記憶障害
新しいことが覚えられなくなり、ついさっき聞いた話や、行動の記憶が難しくなります。次第に、覚えていたことも忘れていきますが、子供の頃の記憶など、昔の出来事は比較的覚えています。
見当識障害
見当識とは今がいつ(時間、年月日、季節)、ここがどこ(場所、何をしているのか)、人間関係など、今置かれている状況を把握することです。「いつ」が障害されると、今が何時なのかがわからなくなり、「約束の時間を守れない」、「予定通りに行動することができない」などが現われます。
「今日が何月何日なのか」もわからなくなり、「季節に合わない服装をする」ように。「どこ」が障害されると、「道に迷う」、「自宅のトイレの場所がわからなくなる」などが現われます。人間関係では、家族関係もわからなくなり、「息子を『お父さん』と呼ぶ」、「故人に会いに行く」などと言います。
理解・判断力の低下
情報処理能力が低下して、理解に時間がかかるようになります。早口や2つ以上のことを言われると、理解が難しくなります。あいまいな表現も判断しにくいので、具体的な指示が必要になります。また、駅の自動改札機、銀行のATMなどで、何をすれば良いのかがわからなくなります。
実行機能障害
計画を立てるなど、効率的な行動が難しくなります。例えば、料理の際に炊飯器のスイッチを押しておき、その間におかずを作るといったことが難しくなります。また、不足している食材を買いに行き、無かった場合に、他の食材で代用することが考えられません。
言語障害(失語)
言葉の理解や表現が困難になります。音として聞こえていても、意味が理解できず、言いたいことも表現できないため、相手との会話が難しくなります。
失行・失認
失行は、「お茶を入れる」、「服を着る」、「スプーンを使ってご飯を食べる」など日常的に行っていた動作が行えなくなります。
失認は、自分の身体の状態や自分と物との位置関係、目の前にあるものが何かを認識することが難しくなります。半側空間失認では、身体の半分の空間が認識できず、「ご飯を半側だけ残す」、「片方の腕の袖を通し忘れる」などがみられます。